嗅内野(entorhinal cortex)で発見されたグリッド符号化が、物理的な空間における物体の位置を符号化するためだけでなく、いくつかの直交した概念の軸からなる意味空間における物体の位置を符号化するのにも使われている、また海馬系以外の脳部位(前頭前野など)にもあるとのデータが集まりつつある。世界のいろいろな事象の間にある共通性を抽出して表現することにより、限られた疎な経験から経験してない事象を推測する基礎として注目される。新しい研究方向として重要である可能性がある。Morrisら(Tse et al. Science 316:76, 2007)がラットでの研究で示した空間マップ学習におけるスキーマの存在も概念表現に関係している可能性がある。
嗅内野(entorhinal cortex)で発見されたグリッド符号化が、物理的な空間における物体の位置を符号化するためだけでなく、いくつかの直交した概念の軸からなる意味空間における物体の位置を符号化するのにも使われているデータが集まりつつある。世界のいろいろな事象の間にある共通性を抽出して表現することにより、限られた疎な経験から経験してない事象を推測する基礎として注目される。
Wilson..Niv (Neuron, 81:267, 2014)が、タスク遂行上のステージ(state)が内的情報によってしか決められない場合に前頭眼窩野がこれを表すという仮説を提案し、この仮説で前頭眼窩野の様々な活動や破壊症状を説明した。この説をサルでテストするタスクの開発が望まれる。
統合失調症の基礎に自己モニターシステムの劣化があるとする説がある(CD Frith, The cognitive neuropsychology of schizophrenia, 1992)。この機能が、社会性、メタ認知などを共通に支えている可能性がある。これをサルでテストするタスクの開発が望まれる。
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文責: 革新脳マーモセット脳機能データベース検討ワーキンググループ タスクセット検討小委員会 (中江健、宮本健太郎、中村克樹、田中啓治)
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