音声データからOpenAIのWhisperとChatGPTを使って会議の要約を作成しました。音声データの読み出し精度や、ChatGPTの要約が8196Tokenまでの制限などの問題で、現時点では必ずしも正確な議事録にはなっていません(また、人手で微修正しています)。そういった前提での議事録という認識として参考にしてください。

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視聴者の皆さん、本日はご来場いただきありがとうございます。まずはじめに、私は中江健と申します。自然科学研究機構や生理学研究所で特任准教授を担当しています。この研究会は、コンピュータショナルニューロロジー研究会として始まります。共同で開催している矢田さんは広島大学に所属しています。

この研究会は、私たちが関わっている学術変革の行動変容生物学や生命創生探求センターの資金援助を受けて開催されています。Computational Neuroscienceという分野には、甘利先生や川人先生、銅谷先生など、日本を代表する研究者がいます。私自身はデータサイエンスを専門にしていますが、コンピュータショナルニューロロジーにも興味を持っています。

最近、コンピュータサイキャトリー(精神医学)の注目度が高まっており、アルツハイマーやパーキンソン病などの神経変性疾患にも同様の計算論的アプローチが応用できるのではないかと考えました。また、政府主導の脳科学プロジェクトが進行中であり、将来の医療ニーズに応えるための研究が盛んに議論されています。

そこで、私たちが注力すべき研究領域は、精神疾患や神経変性疾患に対するコンピュータショナルニューロロジーの取り組みや、新しい治療法の開発など、国内外の計算論的研究の推進です。

今回の研究会では、矢田さんが認知症の診断や予測にAIを活用した研究を紹介します。また、データサイエンスや数理科学の進展が、国や社会のニーズにどのように応えてきたのか、そして将来の展望についても議論を進めます。

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パーキンソン病の研究においては、脳の振動現象が注目されていますが、その情報処理や病気との関係についてはまだ明確ではありません。研究者たちはさまざまな仮説を立てています。この発表では、パーキンソン病における振動現象とその発生についてのシミュレーションを紹介します。

まず、パーキンソン病状態において大脳基底核の異常なベータ振動が発生することが示されています。また、運動に関与するスローガンマとベータ振動がパーキンソン病の病態と関連している可能性が示唆されています。これらの振動は異なる神経細胞集団と関連しており、運動の選択と抑制に重要な役割を果たしていると考えられています。

現在のシミュレーションモデルで、構成論的な示唆が行われています。しかし、情報処理関連についてはまだわからないこともあり、さらなる課題が残されています。

将来的には、シミュレーションによるガンマ振動の再現で、パーキンソン病やアルツハイマー病の個別治療に役立つ可能性があります。また、神経細胞やネットワークは周波数帯によって異なる相互作用を示すことを考慮し、シミュレーションで脳活動への深部脳刺激などの影響を調査することが現実的に取り組める課題となる可能性があります。今後は、より詳細なモデルを用いてさらなる研究を進め、より正確な結果を得ることを目指します。

さらに、ルチャーセンセーが"The Brain as a Complex Empire System"と題した発表では、神経システムのネットワークや遺伝子発現、神経活動の技術について説明しました。アルツハイマー病や精神病などの話題も取り上げ、最近の脳のアルツハイマー化に関する論文にも触れました。

次回の研究会では、オンライン参加者は同じリンクを使用する予定です。オンサイト参加を希望する方は連絡するよう呼びかけました。また、今回の発表と活発な質問に感謝し、今後も研究を進めていく意気込みを示しました。

連絡先はメーリングリスト、Googleグループ、ホームページ、Twitterアカウントに掲載されています。今後のイベントも随時開催され、多くの方々の参加を歓迎しています。なお、次回とその次の発表は英語で行われる予定です。

最後に、神経科学学会でビッグデータ解析のシンポジウムを行い、その成果を雑誌に投稿するよう呼びかけました。研究会は一旦終了し、休憩の後、再度議論が始まりました。参加者からは感謝の言葉が相次ぎ、盛況のうちに研究会を終えることができました。

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